
温暖化をはじめとした地球規模での気候変動や化学物質による汚染、化石燃料の採掘と消費がもたらす温室効果ガスの増加など、さまざまな環境問題に警鐘が鳴らされています。
世界各国が環境改善のための施策や技術開発に努めており、一人ひとりが日常生活で取り組める環境改善のための活動も広がっています。「Reduce(リデュース)」はそうした取り組みの一つで、廃棄物の発生量や製造のための資源量を抑えることが目的です。
日本におけるリデュースの例としては、代表的なものに「エコバッグ」が挙げられるでしょう。本記事ではエコバッグの歴史や名前の由来、環境にやさしい理由などについて解説します。
エコバッグとはいわゆる買い物袋のことで、使い捨てではなく繰り返し何度も使用できるバッグのことを指しています。
かつては自前の買い物かごを携えていくことが普通でしたが、1970年代には原油を素材とするポリエチレン製のレジ袋が普及し大量に消費されました。使い捨てを前提としたレジ袋は無料であることがほとんどで、最終的な年間消費量は数百億枚にも及んだといわれています。これに対する問題意識はドイツでいち早く指摘され、同国でのレジ袋は有料で1970~1980年代には繰り返し使える布のバッグが買い物袋として用いられ、これがエコバッグの発祥です。
1990年代には日本で「エコバッグ」あるいは「マイバッグ」という言葉が登場し、2000~2010年代にはエコバッグの普及の下地が醸成されていきました。
エコバッグが国内で急速に普及したきっかけは2020年に施行されたレジ袋有料化で、このことによりスーパーやコンビニエンスストアなどでも有料レジ袋の利用するかを都度尋ねられるようになりました。
2024年1月現在、レジ袋を使わずに持参したエコバッグに商品を詰めて持ち帰る光景が一般化し、環境問題への取り組みの一つとして定着しています。
エコバッグの名前は「ecology(エコロジー)」という言葉に由来しています。
エコロジーとは本来は生態学や自然環境を意味し、それらに配慮することや環境問題への意識と取り組みを指す言葉です。エコロジーを略して「エコ」と呼ぶこともあります。
資源の大量消費に歯止めをかける取り組みの一つという目的から、エコロジーの略称である「エコ」と「バッグ」を組み合わせた名前となったようです。
エコバッグが環境に優しい理由としては、原油資源の消費削減に貢献する点が挙げられます。従来、大量に使い捨てされていたポリエチレン製のレジ袋は原料に原油を用いており、掘削から製造、焼却に至るまで自然環境に負荷となる製品でした。
繰り返し使えるエコバッグを導入することで、二酸化炭素発生やプラスチックごみの削減を含めた自然環境への配慮につながることが「環境にやさしい」とされる理由の一つです。
環境問題に絡めて、エコバッグはSDGsにも貢献することが知られています。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、環境・社会・経済の問題について2030年までに達成すべき17の目標として2015年に国連のサミットで採択されたものです。
エコバッグの使用はそのうち12~14番目の「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」の3つに当てはまります。
「つくる責任 つかう責任」については使い捨てを減らすこと、「気候変動に具体的な対策を」については二酸化炭素の排出量の削減、「海の豊かさ」についてはプラスチック削減により海洋ごみの問題に対応することを意味しています。
エコバッグは繰り返し使える自前の買い物袋であることを述べましたが、いくつかの種類に分けられます。ここからは、以下の代表的な3つのタイプを見てみましょう。
エコバッグのオーソドックスな種類として「マルシェタイプ」が挙げられます。マルシェとはフランス語で市場を意味する言葉で、形状は通常のレジ袋とよく似たものです。バッグの口が広いため荷物の出し入れが容易で、持ち運びがしやすいというメリットがあります。
平らな底が付いたエコバッグは「バスケットタイプ」と呼ばれ、自立させることができます。不定形なフルーツや野菜なども安定して収納することができ、特に食料品の持ち運びに便利です。
スーパーなど一度に多くの買い物をする傾向にある店舗では、バスケットタイプの専用エコバッグを販売しているケースもあります。レジかごのサイズに合わせたものもあり、あらかじめレジかごにエコバッグを取り付けて使用できるのが大きなメリットです。
エコバッグにはコンパクトに収納できる「折り畳みタイプ」のものもあります。
持ち歩くことも想定したエコバッグは携帯性もポイントとなり、あらかじめ折り畳めるように設計されたものであれば、普段使いのバッグにも忍ばせておけます。
このタイプは収納用のポケットが縫い付けられている場合が多く、エコバッグ本体を小さく折り畳んで入れ込むと、方形や巾着型など定まった形にまとめることが可能です。
ここまでエコバッグの歴史や名前の由来、環境に優しい理由や3つのタイプについて解説しました。誰しもが今すぐ取り組める環境活動の一環として、積極的にエコバッグの導入を検討しましょう。
個人でエコバッグ使うだけでなく、企業がイベントや展示会などに自社の社名やロゴを入れたエコバッグをプレゼントするといった取り組みも検討してみてはいかがでしょうか。










